乗数プロセスの仕組みを株初心者の皆さんに理解していただけるよう説明

学校では教えてくれない株のことを、年平均+30%で運用しつづける管理人がイチからわかりやすく教えています。

乗数プロセス 預金

需要と供給(貨幣量)


乗数プロセス(残預金)
預金が新たな預金を生み出すし、その結果経済全体の預金が雪だるま式に増えていく一連の流れのことです。

現金預金比率,預金準備率

  • α:現金預金比率(経済全体での現金と預金の比率を表わしたもの)
  • λ:預金準備率(銀行が預ったお金のどのくらいの割合を預金準備とするかを表わしたもの)

銀行は常に預金の引き出しに備えておかなければなりません。そこで、国は法律によって「銀行は一般預金者の預金の一定割合以上を日本銀行の当座預金口座に入金しておくこと」としたのです。この「日本銀行の各銀行口座に入金されたお金」のことを預金準備といいます。また、ここでは預金から預金準備を引いたモノを残預金と呼ぶことにします。

 

下図は残預金(=貸出)拡大の乗数プロセスを表わしたものです。

説明を簡易化するため、はじめの発生預金は日本銀行の買いオペによるものとします。また、「銀行は預金準備を一定割合より多く持つことなく、残預金をすべて貸し出す(それほど企業の借入需要がある)」と仮定します。

乗数プロセス

日本銀行:A銀行に買いオペ(銀行の債権を買い取る)

→A銀行:日本銀行から預金準備として現金 D がA銀行口座に振り込まれる

       日本銀行から振り込まれた現金を預金準備とせず※、すべてA企業に貸し出す

→A企業:A銀行から借り入れた現金をB企業の商品受取に対する支払に使う

→B企業:A企業から支払われた現金のうち D・α/(α+1) を現金として手元に置く

       A企業から支払われた現金のうち D・1/(α+1) をB銀行に預金

→B銀行:B企業の預金の一定割合 λD/(α+1) を預金準備とする

       残預金 D・(1-λ)/(α+1) をC企業に貸し出す

→C企業:B銀行から借り入れた現金をD企業の商品受取に対する支払に使う

→D企業:C企業から支払われた現金のうち D・α(1-λ)/(α+1)2 を現金として手元に置く

       C企業から支払われた現金のうち D・(1-λ)/(α+1)2 をC銀行に預金

→C銀行:D企業の預金の預金の一定割合 λD・(1-λ)/(α+1)2 を預金準備とする

       残預金 D・(1-λ)2/(α+1)2 をB企業に貸し出す

→・・・

※一般預金者から預金として振り込まれたものではないので、一定割合を預金準備とする必要はない


以下、参考までに数学的展開を紹介しておきます。

  • 派生残預金(貸出)の合計
  • =D+D・(1-λ)/(α+1)+D・(1-λ)2/(α+1)2+・・・
  • =D(1+(1-λ)/(α+1)+(1-λ)2/(α+1)2+・・・)
  • =D/{1-(1-λ)/(α+1)}
     ↑初項D、公比(1-λ)/(α+1)の無限等比級数の和
  • =D/{(α+1)-(1-λ)/(α+1)}
  • =D/{(α+λ)/(α+1)}
  • =D【(α+1)/(α+λ)】

λ↓→【(α+1)/(α+λ)】↑

乗数

=預金の増加分のうち預金準備に充てる割合が低くなればなるほど、乗数は大きくなる

α↓→【(α+1)/(α+λ)】↑

乗数

=人々が現金保有する割合が低くなればなるほど、乗数は大きくなる

投稿日:2005年11月06日 12:37
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