政府が再生可能エネルギー(主に太陽光発電)の普及を促進させるために、20...

学校では教えてくれない株のことを、年平均+30%で運用しつづける管理人がイチからわかりやすく教えています。

太陽光発電の固定買取制度が電気料金に及ぼす影響

政治


政府が再生可能エネルギー(主に太陽光発電)の普及を促進させるために、2012年7月1日から固定買取制度を実施ししました。

この制度について調べましたところ、このままでは皆さんが固定買取制度について“間違った認識”を持ってしまう恐れがあると感じましたので、私なりにわかりやすく解説してみることにしました。

 

政府広報オンラインでは、今回の制度実施による消費者負担に関して、冒頭部分で以下のように説明しています。

電気をご利用の皆様には、「賦課金」として、電気料金の一部としてご負担をお願いします

 

そして、下の方に「賦課金(正式名称:再生可能エネルギー賦課金)」について以下のような説明があります。

再生可能エネルギー賦課金の単価は平成24年度の場合、全国一律で0.22円/kWhです。(単価は、国が定める買取価格などをもとに、その年度の再生可能エネルギー導入量を予測し、毎年度定められるものです。)

(参考)政府広報オンライン

 

まぁよく分からない説明ですが、それでも負担が変動することくらいは分かります。

しかし、首相官邸ホームページのQ&Aによる説明は、明らかに誤解を与える内容です。

すべての電気使用者の皆様に毎月約100円ずつ(月300kWhの場合)ご負担いただき、そのお金は電力会社などが再生可能エネルギーを買い取る際の資金として使われます。詳しくはこちら

(参考)再生可能エネルギーの固定価格買取制度-首相官邸

 

…これはもう悪意しか感じられませんね(汗”)

 

今回の固定買取制度は、既にドイツで実施されており(日本はこれを真似てます)、そこからある程度私たちに及ぼす影響を推測できます(ドイツは2000年に固定買取制度スタート。2004年に太陽光発電の買取価格を引き上げ)。

 

太陽光発電全般:導入量の国際比較
↑クリックで拡大します

 

一次エネルギー構成比率の国際比較

日本とドイツはエネルギー構成も非常に似ています。

(参考)欧州の固定価格買取制度について-資源エネルギー庁
(参考)我が国における再生可能エネルギーの現状-資源エネルギー庁
(参考)一次エネルギー構成比率の国際比較-資源エネルギー庁

 

では、「再エネ賦課金」の説明からしていきます。

とりあえず、上記2サイトには再エネ賦課金の詳しい説明は記載されておらず、誘導に従って(自力で)進んでいくと資源エネルギー庁の「なっとく!再生可能エネルギー 再エネ賦課金とは」というページに辿り着きます。

 

20120907_2.gif

ぜひ↑の画像をクリックして実際の説明ページを見ていただきたいのですが、文字は小さくて読めないし、がんばって文章を読んでも全然なっとく出来ません(汗”)

※図の中に出てくる「太陽光発電促進付加金」とは、固定買取制度が実施されるまで適用されていた「太陽光発電の余剰電力買取制度」に対する負担金です。

 

とりあえず、「太陽光発電の導入で採算が合わない分を消費者が負担する」ってことですよね(再エネ賦課金の算出式は、探せど探せど出てきませんでした)。

この場合、生産コストが高く、採算がぜんぜん取れてない開始後数年がとくに負担額が増えやすいはずです。

しかも、今は不況の真っ只中ですから、普通に考えれば多くの企業が「確実に採算の取れる太陽光発電事業」に飛びつきます。最悪のタイミングですね(汗”)

 

さらに悪いことに、再エネ賦課金は太陽光発電の普及量や生産コストの推移に従って定期的に見直されますが、既に導入された分については一定期間(10年・20年)固定されます

つまり、消費者の負担は“積み上げ式”で増えていきます

 

↓図の各国の家庭用電気料金の推移を見ても、ドイツの電気料金は固定買取制度を導入した2000年から上昇していることが読み取れます(イタリアも2002年より消費者負担による再生可能エネルギー促進策を実施してます)。

電気料金の国際比較
↑クリックで拡大します

(出所)電気料金の国際比較-社会実情データ図録
(参考)欧州の固定価格買取制度について-資源エネルギー庁

 

ドイツとイタリアの家庭用電気料金は、再生エネルギーの固定買取制度を実施してから10年で約2倍に上昇しています。少なくとも、これから日本でも大なり小なりこれと似たようなことが起こるでしょう。

そして先駆者のドイツはというと、現在この負担の高まりから制度の見直しをしています(汗”)

『ドイツの電力事情=理想像か虚像か3-再生可能エネルギー法の見直し - アゴラ編集部』 7月1日から再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度をスタートさせた日本に衝撃的なニュースが飛び込んできた。ドイツが太陽光発電の買取制度を大幅に修正することが決定したという。6月27日に開催された上院と下院の両院協議会において、以下の政策変更が決まり、同29日に内容を盛り込んだ法案が成立した。・太陽光発電の買い取り価格の20~30%の引き下げ2012/8/11 ヤフーニュース

これだけ重大なニュースなのに、ネットに残ってる記事がほとんどないんですよね(汗”)

 

しかも、この制度で最も恩恵を受けるのは、中国の太陽光パネル製造企業なんです。

ドイツの事例ですと、最初は国内の企業から太陽光パネルを購入していたのですが、中国企業が安価な太陽光パネルを作るようになり、より大きな利ザヤ[固定買取価格-仕入(生産)コスト]を求めて、国内製から中国製へ切り替えていったのです。

『独Qセルズが破産申請へ-国内太陽電池大手の経営破綻相次ぐ 』 同国の太陽電池メーカーは、政府による補助金削減に加え、生産能力を増強したサンテック・パワー・ホールディングスなど中国勢との競争激化で苦戦。中国企業の増産に伴い太陽光パネルは供給過剰状態が生じている。ドイツではこの4カ月間にソロンとソーラー・ミレニアム、ソーラーハイブリッドがいずれも経営破綻した。 20124/4 Bloomberg

 

『苦戦強いられる日本の太陽電池メーカー 再生エネ買い取り制度で参入相次ぐも』 国内生産が前年同期比4割強の伸びにとどまったのに対し、輸入製品は3倍以上も増加。中国製など割安な太陽電池の国内流入が加速した結果、国内出荷に占める輸入製品の割合は29・6%の13万1千キロワットと、前年同期(15・5%)の倍近くになった。一方、国内メーカーによる輸出は欧州の景気後退などで61・7%減の16万8千キロワットと急減した。2012/8/28 産経ニュース

 

つまり、私の認識が間違ってなければ、私たちはこれから自腹を切って、

太陽光発電事業を手がける国内企業の利益獲得に貢献し、欧州各国の固定買取制度の見直しによって需要が縮小し“在庫を抱えまくっている”中国の太陽光パネル製造企業の経営危機を救っていく

のです。

投稿日:2012年09月08日 17:52
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