ROEとROAⅢ
例)総資産100億円、株主資本50億円、利益10億円の会社がありました。

ある日、大株主から「もう少し頑張ってくれ」と言われたとします。
ケース2)ROAを高めることで「頑張り」を見せる
社長「わかりました、ROAを高めることで誠意をみせたいと思います。」株主「そうか、じゃあ頼むよ」

社長「まずは、簡単にできるコスト削減で収益率を上げよう」
社長「次に、既存事業の価値を向上させてより多くの収益を得られるようにしよう」
以上の経営努力が実り、利益が2.5億円(+25%)増えました。
経営努力後ROA=経営努力後利益12.5億円÷総資産100億円
=12.5%(+2.5%)
経営努力後ROE=経営努力後利益12.5億円÷株主資本
=25%(+5%)
こうして見事にROAを+2.5%増やすことに成功しました。しかし・・・ROEは+5%にとどまりました。あれっ?たしか ケース1) の借入後ROEは30%(+10%)でしたよね?
ケース2)では、確かに会社としての力(資産運用の効率性)はUPしました。しかし、株主価値の向上という点ではケース1)に比べ評価できません。
一見、きちんと経営努力をして成果を上げたケース2)の方が株主にも貢献しているように見えますが、実際は手を抜いたように見えていた ケース1)の方が既存株主にとっては都合が良かったのです。
う~ん、なんかおかしいですよね?
そのうやむやを消すために、ケース1)とケース2)を踏まえたうえで理想的な ケース)を紹介したいと思います。