ROEとは
ROEとは株主資本に対してどれだけ利益をあげているかを表わす指標。また、株主価値※の向上性を表わす指標でもある。
※株主価値=1株あたりの利益(EPS)、1株当たりの純資産(株主資本)(BPS)ROE=当期利益÷株主資本(資本金+利益剰余金)

では、具体的な例を用いてわかりやすく説明していきます。
例)株主資本=100億円、毎年ROE=30%の企業 利益は全て利益剰余金として内部留保(自社に投資)する
1年目:株主資本=100億、利益=30億(100億×ROE30%)
→30億を内部留保
2年目:株主資本=100億+30億=130億、利益=39億
→39億を内部留保
3年目:株主資本=130億+39億=169億、利益=50.7億
→50.7億を内部留保
3年目終了時株主資本=169億+50.7億=219.7億
と、ROEが高水準である程度一定に保たれていれば、爆発的に株主資本・利益ともに拡大します。
一方、
株主資本=100億円、毎年ROE=5%の企業 利益は全て利益剰余金として内部留保(自社に投資)する1年目:株主資本=100億、利益=5億(100億×ROE5%)
→5億を内部留保
2年目:株主資本=100億+5億=105億、利益=5.25億
→5.25億を内部留保
3年目:株主資本=105億+5.25億=110.25億、利益=5.5125億
→5.5125億を内部留保
3年目終了時株主資本=110.25億+5.5125億=115.7625億
と、ROEが低水準である程度一定ならば、株主資本・利益ともそれほど増えません。
つまり、利益を全額内部留保してもROEを高水準に保てる(収益率の高い再投資ができる)企業は利益を配当で株主に還元するよりも、内部留保してそれを運用し、さらに株主資本・利益を増大させることで株主に還元する方が好ましいと言えます(1株当たりの利益↑・1株当たりの純資産↑→株価↑)。
一方、
利益を全額内部留保した場合ROEを高水準に保てない(収益率の高い再投資ができない)企業は利益を内部留保して運用するよりも、株主に配当で還元する方が好ましいと言えます。(ただし企業の再投資よりも株主に運用を任せた方がより多くの利益を望める場合のみ)
内部留保するかしないか、配当するかしないか、どちらにするかは株主価値の最大化で決めるのが本来の株式会社の姿ではないでしょうか。
ROEは企業側が株主価値を考えるうえでは最重視すべき指標とも言えます。皆さんも投資している企業がROEの向上を意識した経営をしているかチェックしてみてください。