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MSCBとは

MSCBとは、CB(転換社債)に転換価額の修正という機能がプラスされたもの

ここからは簡単に理解してもらうため、例題を使って進めていきたいと思います。

MSCBのおそろしさ

例)
株価1,000円、発行済株式数100万株(時価総額10億)、EPS50円、当期純利益5,000万円(50円×100万株)の企業が2億円のMSCBを発行したとします。

発行社債内容

当初転換価額 1,000円
転換価額修正 毎月第2金曜日(決定日)のよく取引日
転換価額    決定日を含む3連続取引日の各取引日のVWAPの平均値の90%
下限転換価額 300円
上限転換価額 1,300円

細かいことは無視してかまいません ^ ^ ;)


ⅰ当初転換価額1,000円で全額転換した場合(CBと同じ)
新株発行数=2億円÷1,000=20万株

発行済株式数=100万株+20万株=120万株

EPS(1株あたり利益)=5,000万円÷120万株≒41.7円

結果、1株当たり利益が元の水準の83.4%(41.7/50)に減少します


ⅱ下限転換価額300円で全額転換した場合
新株発行数=2億円÷300円=66.7万株

発行済株式数=100万株+66.7万株=166.7万株

EPS(1株あたり利益)=5,000万円÷166.7万株=30.0円

結果、1株当たり利益が元の水準の60.0%(30.0/50)に減少します


このように転換価額が下がれば下がるほどEPSが減少し、株主の犠牲が大きくなります

「しかし、いくらなんでも1,000円の価値があった株価が300円にはならないんじゃないの?」

いえ、なるかもしれないんです。なぜか? それは・・・

わかりやすく理解していただくために図を使って説明したいと思います(引き続き上記で取り扱った企業を例題にします)。

MSCB

上図のようにMSCB引受先企業はどこかから株を66.7万株借りて全部空売りをし、株価を下限転換価額まで下げます(極論)。

そして転換価額修正により、転換価額が下限転換価額まで引き下がったら、全てのMSCB(2億円)を発行元の新株と交換します。

最後に、株式交換によって得られた新株(66.7万株)を株を借りてきたところに返します。結果、

(空売りした価格-下限転換価額)×空売りした株数

の合計金額が利益となります。


以上のように、MSCB引受先は簡単にノーリスクで利益を得ることが出来ます。既存の株主の犠牲の上で、ですが ^ ^ ;

これを上手く利用して莫大な利益を上げ続けていた企業があのライブドアです。MSCB引受を乱発している企業には御注意(笑)

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